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月の繭

独りで見る景色 感じる色 独りで聴く音楽 感じる旋律。 独りで食べる食事 味気なさが当たり前になる 人は所詮独りだと、誰かの言葉 それが「当たり前」と思える心の空洞 同じ景色でも隣に一つのぬくもり 感じていられたなら。 そう、それは遠い時間の大切な思い出。 それが「当たり前」と信じて いつまでも続くと疑わなかった それが当たり前だから その大切さに「気づくことができなかった」   戻ることのできない時間 過ぎ去った時間 たとえそれがかけがえのないもの そうわかっていても、 心の中で風化していく時間…   痛みも、苦しさも悲しさも、 そのときのうれしさも… 風化していく。。 大切なもの。 それが風化してしまうこと。 強く思う気持ち、 想い続ける意志。 色を変えたとしても、 そこにあったという事実を 感情で縛り付けておきたい、 そう願った。